起業の選択肢にNPOはどうですか?

NPOは非営利団体であり、「世のため人のため」に活動します

何を準備するか(3) 第1、第2、第3の顧客

何を準備するか(3) 第1、第2、第3の顧客

第1、第2、第3の顧客

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あなたの顧客は何か?

NPOビジネスを始める時、配慮しなければならないのは顧客(クライアント)の多様性です。

性格の違う顧客層があり、対応を誤ると事業が前進していきません。

企業であればサービスや商品を買ってくれる顧客だけを気にしていればいいのですが、NPOビジネスでは違います。

どうしてそのように違うのかを整理するため、NPOビジネスと一般企業で行う顧客の相違点を整理すると次のようになります。

NPOビジネス (1)購買する顧客 (2)サービス提供者 (3)支援者
一般企業 (1)購買する顧客 (2)労働者 (3)投資家

上記のNPOビジネスの(1)(2)(3)をそれぞれ第1の顧客、第2の顧客、第3の顧客と呼びます。

それにあわせて企業の場合に対応するものを当ててみました。第1については一般企業もNPOビジネスも同じです。

次に第2の顧客については、NPOビジネスではボランティアや会員がサービス提供者になったり商品作りに協力してくれたりしてくれるのですが、企業は賃金を支払って労働力を買う雇用関係があるだけです。

この相違は際立ちます。

一方は賃金報酬を受けない、あるいは少ない報酬でも自主的に熱意を込めて地域や困っている人のためにサービスを提供しようという人が、事業体の中心にいるわけです。

ところがもう一方は、賃金報酬による義務として労働をするわけです。

そこにおいて自主性は必要ではありません。

また、第3の顧客というのもNPOビジネスには重要な意味を持っています。

自治体や住民、その他の支援者です。

地域社会に必要だからこそ応援する人や機関が出てきます。

企業の場合は、商品やサービスを売る(買ってくれる)消費者だけに焦点を絞ればよいのですが、NPOビジネスは第2、第3の顧客への配慮がいるわけです。

多くの場合、NPOビジネスは地域社会を対象とするわけで、第2、第3の顧客の動向が事業に大きな影響力を持っています。

例えば、子育てや高齢者支援の事業においても、そのサービスを提供するのは同じ地域に住む人々であり、それを自治体や町内会、商店街、または個人に支援してもらうことによって質の高いサービスを提供できるようになるのです。

営利企業はこのことを雇用労働者だけのサービスとして行う方式であり、これがNPOビジネスとの決定的な差なのです。

この差を上手に使いこなせば、多くの協力者や支援者を確保でき、NPOビジネスは成功します。

人材の宝庫としてのシニア

NPOビジネスが成功するポイントは、事業として提供できる人材にいかに優秀な人を確保し、かつ常用雇用の人だけでなく、ボランティアを含めた多様な人材を確保できるかということです。

例えば、コミュニティ情報誌にしても、できれば無償で配達してくれる人がいないと事業として成り立たないでしょう。

子育てについても、参加する人が無償か有償のボランティアとして協力するという構造ができるのがベストなわけです。

ただし事業ですから、ボランティアのみの構成はできませんので、その一部に取り込んでいくことが重要なのです。

そして、優秀な人材を得るためには、できるだけ地元の人に応援してもらうことです。

この人たちはサービスの提供や生産に関わるだけではなく、その消費者としても口コミなどで核となる人たちです。

また、こうした協力者は若者、専業主婦、退職後のシニアが中心となるでしょう。

これまでの営利企業の限界は、それぞれの層を『消費者』としか見ていなかったことです。

NPOビジネスが成功する場合には生産者・サービス提供者としても位置づけられるかどうかということなのです。

中でもシニアは重要です。

なぜなら、シニアは自己存在の証明ができないことが悩みなのです。

企業を定年退職し、家庭では子どもの自立と男性の場合には妻の社会的自立によって居場所がなく、地域社会にも溶け込めないということなのです。

したがって生きる場所、あるいは他者から自分の存在を認められることが重要なポイントなのです。

これを抜きにしてシニアを消費者として扱っても、衣食住はほぼ満足している世代ですから、消費することに積極的ではありません。

老後資金は十分あるとはいえ、年金制度の不安定さ、医療制度における自己負担の増大、そして将来の身体的不安などのリスクを考えると、収入が年金しかなくなった時点においては、個人消費を控えようとするのは自然な流れでしょう。

こうしたシニアに対して「これ買って」「あれに興味があるはずだ」と攻めても購買意欲は高まりません。

これに対してNPOビジネスの側からいえば、優秀なマンパワーがいるわけですから、介護、子育て、まちづくり、環境保全、文化と農業の再興、新しい職域の開発、海外支援などに招くことができます。

こうした場こそシニアも望んでいるので、NPOビジネスの第2の顧客として能力を発揮することでサービス受給者から喜ばれ、自己存在の意義を証明できるわけです。

そして、事業に参加することで例えばシニアが月5~10万円の収入を得られるとすれば、その2倍は消費するようになるわけです。

このことを理解できない、またはその活躍できる場を提供できない企業が多いため、NPOビジネスの出番となるわけです。


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