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何を準備するか(2) マーケティング

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マーケティング

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地域の中の市場を見いだす

どのような事業をするにしてもマーケティングは不可欠です。

では、どのようにマーケティングをしていけばいいでしょうか。

NPOビジネスが成立するのは、人々が「ここに困っている人がいる」「この問題を何とか解決したい」という“思い”で集まり、行動を始めるのが一般的です。

実は、この段階で基本的なマーケティングはできていると考えてよいのです。

NPOビジネスとして事業化しようとするのは、行政の施策にない、または対応が不十分なもの、かつ民間企業がサービスしていないか質が悪い、あるいは料金が高くて利用できない分野です。

したがって、NPOビジネスを興そうとする気持ちになったこと自体、そこに立派なマーケットがあるということなのです。

もう少し丁寧にマーケティングするとすれば、こうした課題についてのアンケートや聞き取り調査を実施すること、また取り上げた事業内容に詳しい人にヒアリングをします。

つまり、市場調査は事業の立ち上げには絶対必要ですが、大企業を真似るのではなく、NPOビジネス流にやり方で行えばいいのです。

地域社会は豊富なマーケットの宝庫です。

その中に市場を見つけてNPOビジネスの対象として顕在化させてマーケットができるかどうかが、成功の鍵を握っていると1ってよいでしょう。

例えば、超高齢化社会を迎える中で、これからは狭い生活圏内で個別の様々なニーズに合わせた移動サービスのマーケットが成立することになります。

なぜなら、日本の要介護者率はアメリカやヨーロッパの国の約2倍といいます。

理由は色々あるのですが、家の中で引きこもるのと、食事の質が悪く栄養失調状態になっている人が極めて多いということです。

こうした課題を解決するためには、自力での移動に不安がある状態になっても外に出ることができるサービス、車椅子を利用するようになっても花見や買い物、外国旅行にも行けるサービスをNPOビジネスが創り出すことです。

このような個人のニーズに対応するのは、営利主義の企業は苦手な分野なのです。

すでに日本では1人暮らしの高齢者が約340万人もおり、2015年には570万世帯、その予備軍である高齢者のみの世帯は610万世帯になり、ますます増えていきます。

こうした1人世帯で最も不安に思うことは、何かあった時に「どうしようもない」ということ。

転んで立ち上がれないとか、熱が出た時でも、それに対応する人が家の中にいないということです。

しかし、グループリビング(血縁関係がない親しい人同士が共同生活するスタイル)であれば、プライベートな空間を保持しながら助け合いができます。

そして、グループリビングが地域の食事サービスの厨房場所になったり、コミュニティ・カフェになったり、カルチャーセンターやデイサービスセンターになるかもしれません。

そこの住む人がサービスを提供する側として、NPOビジネスの推進者の1人として自分の夢を果たすようになることも可能です。

以上はどこの地域にもあることですが、これをNPOビジネスとして引き寄せ、事業として具体化すれば、民間企業である建設・不動産業、また金融機関との協働もできます。

NPOビジネスの強み

NPOビジネスの特徴は、ヒューマンサービス産業だということです。

簡単にいえば人手のいる産業、人と人が顔を合わせてサービスする産業ということです。

営利企業でやるとなれば人件費がたくさん必要となりますので、NPOビジネスの進出が可能になるのです。

最も食事を美味しく感じるのは、家族や友人・恋人とおしゃべりしながら食べる時です。

そうすると脳が働いてドーパミンを分泌して美味しいと感じるものなのです。

コミュニティ・レストランのような会食方式ではなく、配送方式でもヒューマンサービス産業の特徴を出すのは可能です。

この分野はケータリングサービスとして盛んですが、営利企業の決定的な欠陥は配送システムにあります。

なぜなら宅急便などの営利企業の活用をせざるを得ないのですが、これでは事務的な配送で終わってしまいます。

ところが、NPOの場合は配送段階において数分間の立ち話をしながら生活全般のニーズを取材し、そのサービスを付加していくことができます。

NPOビジネスの特徴を上手に引き出すと、そこからマーケットを生み出すことができます。

シニアマーケットに注目

この分野は、全てのNPOビジネスに関係があることで「子育て事業だから関係ない」「環境ビジネスだから主要対象ではない」などと考えるべきではありません。

今、日本人の個人の金融資産は約1400兆円といわれています。

その半分以上を所持しているのが60歳以上のシニアです。

あわせて日本の市場全体の6割が個人消費であることを考えると、シニアはあらゆるビジネスが最も注目していかなければならないマーケット層ということになるでしょう。

資産が集中しているシニアを色々な角度からNPOビジネスのマーケットを掘り起こしていく観点が必要です。

節句祝いに高いプレゼントをするのは親ではなく祖父母が多いように、実際に商品やサービスを買う人に焦点を合わさなければ、あらゆるビジネスは成立しません。

介護保険制度の予算は128億7252万円(2011年度)ですが、これと同等程度の制度外からのサービス購入がありますので、全体で約260億円のマーケットを形成しているのです。

そして、マーケット論として重大なのは、保険制度の利用者である要介護・要支援高齢者より、元気なシニアの方が圧倒的に多く、かつ購買意欲も高く、マーケットとして成立しやすいということです。

シニアにとって介護についての不安が大きいのですが、介護保険制度の確立によって、介護に関わるサービスを1割負担で買えるようになりました。

制度ができるまでは、高齢者が資産を残す最大の理由は老後の不安、介護の不安があったからでした。

介護の担い手として子どもに介護料として資産を残すという発想が一般的だったのです。

ところが、制度ができたことで子どもをあてにした老後生活を想定しなくてもよくなりました。

介護保険で足りない部分は別にプラスして買えば、子どもたちに面倒を見てもらわなくても介護サービスは十分という意識になってきています。

一方、介護は家族だけでなく社会で支えるという感覚に変化してきています。

こうした客観的な条件が変化したことによって、シニアの資産は生きているうちに使ってしまうことが可能になったのです。

ですから、年金などの流動資産の収入で日常生活をしながら、ストックしている資産を自由に活用することができるわけです。

そのストックを毎月あるいは毎年に分割して自分の人生を彩ることに活用してもよいでしょう。

旅行やカルチャースクール、スポーツなどの趣味や自己啓発、あるいはNPOビジネスの投資に充てることもできます。

あなたのやりたい、地域で成立する可能性のある事業を発想して、簡単な机上のマーケットリサーチをしてみましょう。

頭の整理をするためのものですので、会費や寄付などは切り捨てて考えます。

また、NPOビジネスに参加する可能性のあるシニアは極めて多く、シニアは消費者であると同時に生産者=サービス提供者でもあるのです。


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