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事業をどう始めるか(4) 情報

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情報

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NPOビジネスの創造と継続のためには、情報が大きな役割を果たします。

社会の変動が激しい現代、その動向を長期的な視点と短期的な視点でしっかり把握していかなければなりません。

激しい変化に対応できる自分自身の態度を鍛えていかなければなりません。

NPOビジネスと情報の関係でいえば、まず長期的な情報については、それが人間の歴史を『発展』させるものであるかどうかをチェックしていかなければなりません。

また、10年単位の中期的動向についても、見通しの整理が必要です。

そして、自分の関心がある分野と確保した情報との関係を整理していかなければならないのです。

何より肝心なことは、情報を知識として持つのではなく、事業に活かしきることです。

長期的視野の例

1990年代、介護保険制度を作ろうという動きが顕在化しました。

もともと実施されていた措置により福祉は『お上』が『下々』に与える感覚で運営されるもので、人間の尊厳を保障しない制度でした。

介護保険制度では保険料という個々の負担は生じますが、『自己決定権』が確保され、市民の福祉制度への関わりを促進するということ、その上にほかの社会福祉制度にも影響を与え、長期的に見て極めて意義がある制度です。

同時に、サービスの提供事業者に民間の参入を進めることが計画案に入っていました。

これにより競争なき行政サービスから当事者への満足度を意識したサービスを提供できることになります。

ただし、当時のボランティア団体が事業者として参入するためには法人格の確保が必要であることがはっきりしていました。

介護保険法とNPO法を法制度化することは、長期的視野からどうしても必要でした。

この場合の主要な情報経路は当時の厚生省と経済企画庁(現・内閣府)でした。

また、介護やボランティアの現場、介護保険制度やNPOが発展していたドイツやアメリカも情報源でした。

それらの情報に基づき、介護保険法の場合には『介護の社会化を求める1万人市民委員会』が設立され、NPO設立の場合にはボランティア団体、市民団体が総結集して全政党へのロビー活動を行ったのです。

この結果、介護保険法は1997年12に成立し、2000年4月から施行されました。

また、NPO法は98年3月に法制化され、同年12月から施行されました。

いずれも市民が関わった法制化でした。

中期的視野の例

今NPO制度と介護保険制度は、その制度の有効性を高めていく努力をする段階です。

また、NPO法人が介護保険制度の事業者となり、収益性を確保することによって事業体としての安定性を確保し、地域社会における影響力で情報を集め、整理し、活用していかなければなりません。

ただし、公的サービスである介護保険制度が収益性を高いレベルで保障することはあり得ません。

したがって、介護保険事業者としての地盤を活用しつつ、収益性の高い新規事業の確立を行う必要性があり、こうした視野が求められています。

まず、NPOビジネスを行う法人自身の状況をしっかり把握しておかなければ、情報をいくら集めて整理しても意味がありません。

つまり、情報を活用する主体は何か、というのが決定的に重要なのです。

短期的視野の例

短期的視野からいえば、数年の間に介護保険事業への進出と定着を図る必要がありました。

NPOビジネスとして成立するように、良質な事業所をできるだけ多く解説し、質の良いサービスを提供することが重要です。

1998年(介護保険法施行の2年前)から多くのボランティア団体が介護保険事業者の『指定』を受けられるよう準備をしていました。

社団法人長寿社会文化協会(WAC)とさわやか福祉財団が主体となって、全国で研修会を行い、制度のスタート時には全国で550の事業所が誕生し、4年後には2500になりました。当初は全事業所(訪問介護のみ)の中でNPO法人は2%でしたが、2010年度では5.7%となっており、一定の地位を確保したと言ってよいでしょう。この間に、ケアマネージャーの受験資格をどのように設定するかなどを、NPO側と当時の厚生省の担当官とが『公開質問会』で情報の集約とその周知を、全国に広めるということもありました。

NPOビジネスの情報

以上が、介護保険関係の長期・中期・短期的視野の情報と実際の行動との関係です。

NPOビジネスとして必要な情報は、戦略的なものだけでなく、「次の市長は誰になるのか、その場合に政策の重点はどう変わるのか」という政治的なことや、地域の地場産業の動向、人口と年齢構成の変化というような身近な情報まで、自らの事業に必要な情報をしっかり把握しておくことです。

そして、情報は日々変質・退化していくわけですから、絶えず更新していかなければならないわけで、事業体のリーダーは高いアンテナと整理能力を持っていなければなりません。


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